2006.02.14 Tuesday
戦没学徒記念若人の広場01
![]() 戦没学徒記念若人の広場 兵庫県南あわじ市阿万塩屋町2658-7 (地図) 設計 丹下健三 竣工 1966年 撮影時期 2006年1月 丹下健三の没後に出た『CASA BRUTUS』2005年9月号の丹下特集を読んでいたとき、作品リストの中に戦没学徒記念という建築が載っていることに気付きました。その時は「へぇ、こんなのあったんだ。知らなかったなあ」程度でスルーしていたのですが、後日ふと気になって検索で調べてみたらかなりの建築らしい。というわけで行ってきました。いや、これは凄い。代々木競技場(1964)や東京カテドラル(1964)に匹敵する名作です。
名前が示す通り、戦時中に亡くなった動員学徒の慰霊のために建てられたもので、遺品や資料を展示する建物と慰霊塔のふたつで構成されています。場所は淡路島のほぼ南端。建設・運営とも民間団体が行っていたのですが、来館者の少なさで資金難に陥り、さらに阪神大震災で建物の一部が損傷したためについに閉鎖されるという経緯を辿ります。しかもこの建築はなぜか作品集や専門誌でほとんど紹介されることなく(丹下事務所のサイトにも載っていない)、長年にわたり隠れた存在のままでした。
現在は空き家というか半ば廃墟状態。一応、立ち入りは可能です。震災で損傷したといっても普通に見学するだけなら危険はありません。展示品の大半はよそに移されたものの少しだけ残っています。廃墟とはいえ大切な場所ですので、見学するなら自己責任で節度を持って行動して下さい。 ![]() ![]() シェル構造の慰霊碑はペンがモチーフとのこと。何という美しさだろう。丹下の才能は代々木などを見て理解していたつもりでしたが、この造形には完全に打ちのめされました。私の乏しい語彙ではとてもこの素晴らしさは表現できません。 ![]() 尖塔状の造形物といえば村野藤吾の宝塚カトリック教会もそうですね。比較すると二人の作風の違いが感じられて興味深い。 ![]() 慰霊碑の真下に立つとまるで空に吸い込まれそうな感覚がします。純粋に抽象的なデザインでこれほど崇高な表現をなし得た例を、私は他に知りません。建築ファン必見の巡礼地です。安藤忠雄の一人舞台(淡路夢舞台のこと)なんか見ている場合じゃありません。(続く) 【関連サイト】 |





