2005.06.09 Thursday
住宅協会 平和ビル 第1棟
![]() 住宅協会 平和ビル 第1棟(へいわびる) 福岡県北九州市八幡東区西本町4 (地図) 設計 村野藤吾、竣工 1954(昭和29)年 撮影時期 2002年9月、現存せず 戦争の傷跡がまだ残る昭和29年に八幡駅前に建設された4棟の市街地住宅のひとつ。平和ビルという名前から復興に懸ける熱意が伝わります。1階が店舗、上階が市営住宅の店舗併用住宅、いわゆるゲタ履きビルです。第1棟を村野藤吾、第2〜4棟を松田軍平という有名な建築家が設計しています。 築50年を経てついに建て替えられるという話を聞いてあわてて撮影に行ったらすでに第2〜4棟はなく、この第1棟だけが残っていました。現在は第1棟もなく、跡地には高層マンションが建っています。 ![]() 一見しただけではこれといった特徴に乏しく、見過ごされがちな建物ではありますが、細部をよく見ると窓周りのフレームを強調したデザインには初期公営住宅の雰囲気を読み取ることができます。窓下の腰壁はガラスブロックですね。 予算的な問題か公営住宅という制約からか、建物から村野藤吾らしい作風は感じられません。というか、教えられなければ彼の設計とはまず分からないでしょう。強いて言えば、この時代の公営住宅には珍しく外壁をタイル張りとした点に、村野らしさが表れているかもしれません。 ![]() 右手前が平和ビル第1棟、奥に見えるのは旧・八幡信用金庫(現・福岡ひびき信用金庫)の本店でこれも村野藤吾の設計。竣工は1971(昭和46)年です。八幡駅前の村野作品には他に北九州市立八幡図書館(1955)と八幡市民会館(1958)があります。また、小倉北区にも彼の手による小倉市民会館(1959)がありましたが、近年、解体されてしまいました。 村野藤吾は戦前から昭和を通じて活躍した建築家で、数多くの民間・公共建築を設計しました。一般の人が最も目にしているであろう有名建築をあげるなら旧・有楽町そごう(現・ビックカメラ有楽町店)ですね。 |



